ラケナリア
キジカクシ科ラケナリア属。
南アフリカのケープ地方が原産。
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冬の終わり、まだ空気が冷たいころに静かに姿を現す球根植物があります。
それは小さな筒状の花を穂のように連ねて咲かせるラケナリアです。
ラケナリアはキジカクシ科ラケナリア属の球根植物。原産は南アフリカのケープ地方で、冬に雨が降り、夏は乾燥する独特の気候の中で育ちます。この地域には100種以上の野生種が存在するとされ、その多くがこの土地にのみ自生しています。
属名 Lachenalia は、18世紀のスイスの植物学者 Werner de la chenal (ワーナー•ド•ラ•ケナル氏)にちなんで名付けられました。18世紀後半、南アフリカからヨーロッパへ紹介されると、その珍しい姿から植物園や愛好家の温室で栽培されるようになります。当時のヨーロッパでは、海外の植物を収集することは学術的関心であると同時に、知識や富を象徴する文化でもあり、ラケナリアもまたそうした植物のひとつとして広まっていきました。
この植物の特徴は、筒状の小さな花が穂のように連なって咲く姿です。黄色、赤、紫、緑など色の幅も豊かで、花にはわずかな光沢があり、蝋を思わせるような質感を持つものもあります。葉は厚みがあり、斑点の入る品種も多く、花が咲く前から観賞価値のある植物として知られています。
南アフリカの乾いた土地では、こうした球根植物は季節の移り変わりを知らせる存在でもありました。冬の雨のあとに芽を出し、春のあいだに花を咲かせ、やがて静かに地中へと戻っていきます。その短い時間の中で鮮やかな色を残す植物です。
ラケナリアの花言葉には「移り気」「浮気はやめて」「持続する愛」などがあり、多様な花色や開花中に色が変化する特徴から言葉が付けられています。
下から順に花が開き、ゆっくりと咲き進んでいくその姿は、季節の流れを静かに映しているようです。