Vol.04 —  Bleeding heart

タイツリソウ(鯛釣草)は、ケシ科コマクサ属に分類される多年草です。

原産地は中国北部から朝鮮半島にかけての地域で、日本には江戸時代末期から明治時代頃に渡来したとされています。開花期は4月から6月頃。細くしなやかな花茎を弓なりに伸ばし、その片側に花を連ねる独特な姿が特徴です。

和名は、花の形が釣り針に掛かった鯛に見えることから由来されています。また英名では「Bleeding Heart(涙を流す心)」と呼ばれ、ヨーロッパで恋や悲恋の象徴として語られることもあるそうです。

花色は桃色が一般的ですが、白花種も流通しており、葉はやわらかな緑色の羽状複葉。花が終わると夏には地上部を枯らし、地下で休眠しながら翌春の開花を待ちます。

まるで小さなハートが枝に吊り下がっているような花姿は、連なる提灯のようにも見える不思議な形をしています。自然が生み出したとは思えないほど整った造形は、今もなお世界中の園芸家や植物愛好家を魅了し続けています。ちなみに花をそっと開いてみると、中にはさらに繊細な花弁や雄しべが隠されています。可愛らしい見た目の奥に、精巧な植物の構造を秘めているのもタイツリソウのおもしろいところです。

春の終わりを知らせるように風に揺れるタイツリソウ。

出回る時期は非常に短いですが、店頭にて見かけましたらぜひお家に迎えてみてくださいね。

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